梅雨の養生法 湿気対策
梅雨の養生法 湿気対策
この蒸し暑い中、お困りの方も多い神経痛等、痛みについての養生法についてお話しいたします。
湿気と蒸し暑さにより筋肉や関節を悪くしている人も多く見受けられます。神経痛を悪化させている人、膝関節痛を悪化させている人、五十肩を悪化させている人、腰痛を悪化させている人など、ラジオをお聞きの皆さんにも多いのではないでしょうか。このケースでまず、最初に感じる症状は、身体の重だるさを感じると思います。これが最初の危険信号ですので、そこで治しておきましょう。それから、重だるい痛みを感じたり、「ギクッ」とやってしまったと言うことで、激痛になったりして行きます。漢方の世界では、湿気の影響を最も受けやすいのは、胃腸と四肢(手足)、肌肉となります。特に発汗した後に冷房で冷やしたり、雨に濡れて会社に戻り冷房で冷やしたり、寝るとき、半袖・半ズボンのパジャマやパンツ一枚で寝て明け方に冷やしたり、冷房や扇風機をかけっぱなしで寝たり、窓を開けっ放しで寝たりしますと、途端に朝重だるく感じたことは、皆さん経験があるのではないでしょうか。
またデリケートな人であれば、冷房の中に入っただけでも気持ちが悪くなったり、体が重だるくなる人もいらっしゃいます。朝起きて体が重だるいときなどは、ちょっと早起きをしてお散歩するか、雨でお散歩できないとなれば、階段で踏み台昇降を5分から15分間するか、バケツにお湯を汲んで膝から下を足湯するか、朝風呂にはいるかして軽く汗をかくと、その重だるさは抜けてくれます。後は良く体をふいて冷やさないようにして下さい。これが出来ていればこの蒸し暑さの中、痛みを起こすことなく元気に乗りこせます。
しかしながら、この発散が出来ず、発汗と冷えを繰り返していると、やがて筋肉や関節に、湿気による縮み現象が起こり、こむら返りや腰痛、膝関節痛、坐骨神経痛、五十肩などを起こすことになります。この場合は、なるべく早く漢方薬で手当をすると早く良くなります。しかしながら症状が一緒でも一人一人お薬は違うことが多いので、私どもなどの専門家の人にご相談下さい。
湿布をする場合ですが、ぎっくり腰などをして炎症がある初期は冷やすことが必要です。冷やさないといけないとき温める湿布をしますと、激痛になったり気分が悪くなりますので最初は冷やしても、何日か経つと今度は温めて、気血を流してやる方が早く良くなりますのでその点はお気をつけて下さい。食事ですが毎回申し上げるように、この季節の湿気取りは、ピリ辛料理です。冷や奴には、生姜とネギと胡麻と鰹節などふりかけましょう。お刺身、冷や奴、酢の物と来ると総て冷やす食材になりますので、一つ工夫して、お刺身と、温かい豆腐のお汁と、酢の物として下さい。
蒸し暑いのでさっぱりとソーメンの時は、麺もつゆも冷たいと不消化になりますので、薬味の生姜、ネギ、青じそ、胡麻などを入れて下さい。納豆などにも、からし、青じそ、めかぶ、ちりめんじゃこ、胡麻などしっかり入れて下さい。美味しく召し上がれますし、体内のいらない水分(水毒)を、出してくれます。これから先、熱くなり食欲が落ちてくると、胃腸を助ける甘い味と、暑気あたり予防で血液の熱を冷ます苦味、辛味の三種類の味を上手に使い夏を乗り切りましょう。