東洋医学や漢方を用いた治療をお考えなら、長年の信頼と実績ある下山薬局(倉敷市)へご相談ください。

夏の養生法 夏は苦味が必要!

夏の養生法 夏は苦味が必要!

今年は空梅雨で雨が降らず、農家の方は野菜が育たず困られているようですが、木曜日も岡山県では熱中症で12人もの方が倒れられたと聞いております。梅雨前線が上がってくれば雨になるのでしょうが、暑い日が続きますので夏の養生法についてお話しいたします。
 夏になりますと、木々は生い茂り、花はひまわりのように力強く咲き、生命エネルギーは一年で一番高まります。人間も一緒で、子供さん、青少年は、一番元気になり、この季節外で汗をかき遊び、グランドで運動をして、一年で一番成長し、身体が出来上がる季節です。暑いからといって、クーラーの効いた部屋で寝ころび、冷たいジュースを飲んでごろごろしていると、体は作られず、元気になることは出来ません。夏の間は、しっかりと汗をかき、しかも流れるような汗をかいて、一年分の老廃物を皮膚からしっかり出すことが必要です。それと汗をかくことにより、体内に貯まった熱を放散して、体を冷やすことになります。特に中高年以降の方は、熱がこもりやすく、冷たいものを飲めば反対にお腹が冷えて、体調を壊します。汗をかいて、熱を放散することで、体を冷やしましょう。でも、汗をかいた後、濡れたままにしておくと風邪を引きやすいですから汗をかいた後は、必ずふきましょう。クーラーの中だけで生活していると、汗をかくことを忘れて、熱がこもり易い体質になり、かえって熱射病などになりやすい体になります。
 汗をかくということは、心臓に負担をかけます。この心臓がオーバーヒートすると、胸が苦しくなり、脈が速く打つ頻脈になったり、不規則になる不整脈を起こしやすくなります。血液循環も悪くなり、動悸、息切れ、不眠、動脈硬化、ひいては心筋梗塞などの心臓疾患につながりかねません。又熱中症も気をつけなければなりません。暑さと心臓病との間には密接な関係があることは、現代医学でも認められています。ニューヨークで実際にあった出来事です。1966年6月末、たった一日で気温が16度から27度へ跳ね上がりました。その後一週間に渡って30度以上の日が続いた結果、心臓病の死亡者が19%も急激に増加したというのです。このように急激に気温が上がり、それが連続して続いた後は、心臓発作を起こす可能性が高くなるとされます。現在、日本人の死因の第二位は、動脈硬化による心疾患です。この「心」の負担が増加する夏は特に意識して心疾患の予防に取り組む必要があります。
 漢方の世界では、一年で一番心臓が元気に働ける季節が夏の季節です。ですから心臓には頑張ってもらいましょう。頑張ってくれた心臓にありがとうということで、心臓が一番好む味、心臓を助ける味の「苦い味」を加えるわけです。毎年お聞きしていますが、濱家さん?夏を代表する苦い味と言えば、何でしょう。

(濱家さん):夏を代表する苦い味といえば、「ビール」です。ビールは夏、冷たいから飲むのでなく、苦いから飲むのですね。

(下山):ハイ正解です。漢方の考え方では、夏を健康に過ごすためには、「体を冷やす」作用の食べ物を取ることよりも、夏は熱がこもりやすいので、「体内の熱を冷ます」作用の食べ物を取りましょうと言うことになります。体内の熱を冷ます食べ物の代表選手が、「苦み」の食材です。それと苦みには、物を下におろす作用(消化作用)があります。まさに夏の一杯のビールは、その代表と言えます。その他に、苦瓜(ゴーヤ)を中心に、タケノコ、フキ等の山菜類、ゴボウ、魚の内臓、緑茶、紅茶、コーヒー、抹茶、この季節、冷たい抹茶も美味しいですね。果物では、グレープフルーツなどでしょうか。 魚のキモは意外かもしれませんが、イカの塩辛、白子、真子、アンキモなど、カワハギの肝なども溶いてお刺身を食べると美味しいですし、そのほか魚は全般あら炊きなどで召し上がりますね。これからの季節ですと、鮎のはらわたの塩から「うるか」なども夏の味ですね。これらの苦みは、消化薬と心臓の熱を取り夏負担のかかる心臓を助けます。鮎も焼いて、つうの人は、はらわたから食べるでしょう。夏の暑さから心臓を守り、心臓の熱を冷ます苦味の食材を、上手に召し上がって頂きたいものです。来週は、苦いものの弱点は、お腹を冷やすことです。その対策についてお話しいたします。

コメント


認証コード3758

コメントは管理者の承認後に表示されます。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional