お風呂の入り方
お風呂の入り方
ぬるいお風呂に入ると?……
ぬるま湯に浸かったのではお風呂に入った気がしないというのが一般的な日本人の感覚だと思います。しかし、ぬるま湯の方がしっかり芯まで温まることになります。40度のお風呂に15分間入る方法です。ぬるま湯は皮膚の温度センサーが危険を感知せず、熱いとは思いません。そのため皮膚が熱を拒否することはありません。「ぬるい熱」が徐々に体に浸透していき、皮膚の近辺の血管を流れる血液を緩やかに温めていきます。温められた血液は全身を循環し、体の奥深くまで受け入れた熱が運ばれることになります。こうして体の芯まで温度がゆっくりと上昇していきます。全身の隅々まで流れる血液の温度が2度ほど上昇し、体の深部温度が38~39℃くらいになりますと、高温に弱い脳への危険を回避するために、脳の温度センサーが働き、発汗などの冷却反応が始まります。
ぬるま湯でゆっくりと体の芯まで温めるときは交感神経を興奮させることにはなりません。血液はさらさらの状態になりなす。又、汗もベトッとした汗ではなく、さらっとした汗になってきます。低温でじっくり体を温めることが、身体の深部温度を高めることになり、内蔵の温度が高まり内臓の活性化につながります。特に腸の温度を上げることは、乳酸菌の活性化にはかかせません。乳酸菌が元気になりますと、人体にある消化酵素では消化できないものを分解発酵し、腸内に悪いものが残りにくくなります。
ぬるいお風呂に入ると?…… こんな良いことが!……
お風呂に浸かってゆっくり体を温めていきますと、
①脳内には快楽ホルモンのエンドルフィンが誘導されます。痛みなどが緩和されるとともに、ストレスで委縮しがちな視床下部をほぐしてくれます。視床下部はホルモンや自立神経のバランスをコントロールする中枢です。ストレス社会の疲れをほぐして、自律神経やホルモンのバランスを取戻せることになります。
②おなかが温まってきますと、肝臓からはトリプトファンという物質が出て睡眠を誘導します。腸の蠕動運動も順調になり快適な朝が迎えられることとなります。
③血流がよくなります。
④汗が出て老廃物の排泄が促進されます。
⑤全身の細胞の中に「熱ショック蛋白質」といわれる蛋白質がじわじわと数も種類も増えていきます。このタンパク質が、傷(いた)んだ細胞や遺伝子を修復してゆくという報告がされています。低体温の解消・ダイエット・糖尿・アルツハイマー・がん・C型肝炎・うつ病・アトピー、アレルギー、神経痛・リウマチ・腰痛・膝痛・がんの疼痛などの緩和に役立つと言うことが実証されています。
私がいつも体を冷やしてはいけません。暖かいものを食べましょうと、言っていることの裏付けが科学的に証明されているのです。もう一度、おさらいです。冬は、40度、夏は、38~39度のお湯に入って、15分間温もりましょう。是非、無理をせずにお試し下さい。