梅雨の養生法
梅雨の養生法
梅雨と水毒……
今週は、梅雨の過ごし方についてお話しいたします。今年の梅雨に限らず大雨に注意が必要なとしまわりのようです。梅雨はジトジト、ジメジメ、蒸し暑いと言うことで身体は参ってしまうわけですが、梅雨はこの湿気に、身体がやられてしまします。この梅雨の季節は、水分代謝を良くしてやる工夫が大切です。
湿邪の弊害……
漢方の世界では、湿気を病気の1つの原因と考え湿邪と呼びます。湿邪の影響を受けやすいところは、まず皮膚です。次いで筋肉、関節です。体内に侵襲するときには、胃腸も障害します。次に呼吸器系、腎臓と膀胱に及ぶことがあります。また精神面や神経の領域にも重要な影響を持ちます。
皮膚は外気を最も敏感に感じ取ります。熱いときは汗腺を開き発汗し、体温を下げるし、寒いときには反対に表皮を引き締め、体温を逃がさないようにしています。また皮膚呼吸をして、肺の働きを助けています。湿度が高くなると皮膚の持つ様々な代謝機能が阻害され、数々の弊害が表れます。
梅雨と皮膚病……
その第一は皮膚呼吸がうまく行かなくなる為に何となく息苦しく感じたり、重苦しく感じたりするようになります。皮膚病については、水虫を始めとするジュクジュクと水を持つ皮膚病はこの季節悪化します。反対に乾燥の強いものは良くなることがあります。この季節は皮膚の働きが弱っているのでちょっとした刺激や食べ物で湿疹ができやすいのです。それと紫外線が一番キツイ季節ですので、その影響で皮膚病が悪化する場合もあります。この場合には、刺激の少ないUVカットの日焼け止めを使い、大きなツバの帽子をかぶるようにして下さい。皮膚病については、悪化するのは早く、治すのには時間がかかります。専門医に相談することも大切ですし、アトピー性皮膚炎などは漢方療法をお考えになるのも良いと思います。
胡麻の効能……
皮膚病の方の食事ですが、ジュクジュクタイプの方は、胡麻を上手にお召し上がり下さい。皮膚の栄養剤にもなりますし、水分代謝を助けます。精力をつけ血液を増やす作用があります。その他血糖値を下げてくれますし、二日酔いの解消にも役立ちます。また腸を潤し便通を良くします。胡麻は擦らないと栄養成分を吸収できませんから、擦ってお使いください。冷や奴やそうめんを食べるとき、胡麻をしっかり振ってネギと生姜を入れてお召し上がり下さい。反対に冷え症タイプの下痢傾向の方が胡麻を沢山食べると良くありませんので、その様な方は気をつけて下さい。
梅雨は香辛料を上手に摂ろう!……
息苦しさや重苦しさは、エアコンなどで除湿してやるだけでもかなり緩和されます。しかし、喘息様の症状を起こす方も出てきますのでそのような方は、漢方薬ですと体表面にいる湿邪を発汗して除くか、利尿剤を用いて小便として排泄します。喘息の方、息苦しい方のお食事ですが、一般的には辛い味のものをお食べ頂くことになります。少しビリガラの香辛料と言うことになります。香辛料は、肺や皮膚の力を強めて皮膚からの発汗を強める働きがあります。ミョウガ、青じそ、ネギ、新生姜が出ていますので、料理にお使い下さい。利尿作用を高める為に天然塩を使い、貝の味噌汁、味噌料理、ひじき、わかめ等海草類、梅干しなどを上手にお食べ下さい。
梅雨のお風呂の入り方!……
梅雨の季節の湿度により悪化する神経痛や腰痛、膝などの関節痛や、アトピー性皮膚炎などの皮膚病や喘息の方は、養生法として、足湯をしたり、お風呂で温もりましょう。
お風呂の入り方は、夏は38度~39度で15分間、冬は40度で15分間、温もってください。手は心臓のツボが多いですから腕はつけなくて結構です。おなかから下で結構です。体を温めると水分代謝も良くなります。これらの病気の予防と改善に役立ちます。是非実行して下さい。