小正月と小豆がゆ
小正月と小豆がゆ
鏡開き……
本日は、お正月の健康行事についてお話しいたします。明日1月11日は、鏡開きの日です。お供えしてあった鏡もちを手や木づちで割る正月行事、鏡開きが行われます。年神様にお供えした鏡餅をさげ、雑煮や汁粉をつくり、いただくことで1年間病気をしないといわれています。
正月、神様は全ての人や物に新しい生命を与えるために現れると伝えられています。つまり、「歳をとる」ということは一年に一度新たに生まれ変わるということだったのです。そして、その歳神様の霊力を移しとる道具が鏡餅でした。この鏡餅をお供えし、そのお餅を食べることによって、私たちは新しい生命を歳神様から頂くことが出来ると考えています。そして1年無事であったことを感謝する気持ちを込めて飾る行為と健康を祈る気持ちは、非常に歴史のある日本人固有の文化なのです
とんど焼き……
次に来週の木曜日1月15日は、小正月になります。この日は、正月のなどの門松やお飾りを火にくべて燃やす「とんど焼き」「左義長」が行われます。 歳神様のよりしろ(神様が光臨する場所)ですから、それを燃やすと言うことは、歳神様を天に送るという意味があるわけです。古いお守りやお札なども、いつまでも手元に置かず、感謝と共にとんど焼きの火にお返しするのが良いとされています。とんど焼の火を囲んで、お正月の残りのお餅を焼いて食べたり、するめを焼いて食べたりするのは、現代のこの裕福な生活と違い昔の人々には、年に一度の楽しみだったと思われます。この火で焼いた物を食べると、一年を健康に過ごせるとも言われています。各地でその模様が放送されるのではないでしょうか。
小正月…… [#t91c5bef]
小正月は本来、旧暦正月初めての満月をお祝いする行事だったのですが、新暦になってからは元旦を「大正月」、15日を「小正月」と呼ぶようになったそうです。小正月には、木の先を削って稲穂のようにした「削り花」や、枝の先に紅白の餅を丸めてつけた「餅花」を飾ります。春を呼び、豊作を祈る意味があるそうです。
小豆がゆ……
お正月の儀式と言えば、沢山ありますが、お節料理、お屠蘇、初詣、疲れた胃腸を休める七草がゆ、鏡開き、そして、とんど焼き、それと、小正月にいただくのが、「小豆がゆ」となります。
この小正月に「小豆がゆ」を食べると一年健康に過ごせると言われています。小豆の赤い色は、太陽や生命力を表すとされ、それを食べることにより春を呼び、豊作を願うという意味があったそうです。
小豆には利尿作用があり、浮腫を解消します。また、体内の毒素を消し、膿を排出する作用があります。お正月、お餅を食べ過ぎると体内に水分を蓄えます。水太りを起こすのです。夜尿症のお子さんはお餅を食べると、良いのですが、喘息などの方は発作を起こしやすくなります。ニキビや化膿性の皮膚病の方なども悪化するのでお餅の食べ過ぎは良くありません。お正月のそれらの毒を消して、水太りを解消して浮腫を取るのに、「小豆がゆ」は適しています。
小豆がゆのレシピ……
作り方ですが、お米一合に対し三分の一程度の小豆を用意して下さい。ニキビ予防とか皮膚をきれいにしたい方は、小豆と同量のハトムギをご用意ください。小豆とハトムギは一晩水につけます。まず最初に鍋に、小豆とハトムギにお塩を少々入れ、お米を加えて、最初は強火で沸騰してからは弱火にして1時間ぐらい炊きます。米粒が花のように開いたら塩で味を調えて出来上がりです。あく抜きで小豆を煮てから作るやり方もありますが、簡単レシピで美味しく炊けます。お試し下さい。
小豆の食べ合わせの注意点……
その他、小豆を食べ過ぎますと、足がだるくなりますが、これは利尿作用によって水分が過度に失われ、「気」の働きが悪くなるためと考えられます。小豆の赤色の色素のアントシアニンは、鉄と結合すると黒色に変わって、抗酸化力を失います。身体が錆びるのを止めてくれるフラボノイドです。この効果が無くなるので、小豆は鉄鍋で料理しないようにしてください。
小豆はリンを豊富に含みます。リンはカルシウムや鉄と結合して消化しにくい化合物を形成しやすく、それぞれの吸収に不利になるので、ホウレン草(鉄分が豊富)、レバー(鉄分、カルシウムが豊富)などと一緒に食べない方がよいです。本日は、小豆がゆについてお話しさせて頂きました。