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「香辛料は刺激物ですから、控えましょう。」は、本当の話?

「香辛料は刺激物ですから、控えましょう。」は、本当の話?

「香辛料は刺激物ですから、控えましょう。」は、本当の話?……  

スパイス03

 今週も引き続き、秋の養生法についてお話しします。秋一番働く臓器は、漢方薬の世界では、肺と大腸ということをお話しいたしました。秋に気をつけて取ってもらいたい味、そして肺と大腸を守る味が「辛味」です。本日はその辛い味の「香辛料」についての話です。皆さん「香辛料は刺激物ですから、控えましょう。」という言葉が一人歩きしていますが、そう思っておりませんか?
 唐辛子、わさび、からしなど辛味に属するものはどれもピリッと辛く、胃腸を刺激するものばかりですが、この香辛料は、食物と一緒に取るものですから、過度に取りすぎない以上、決して体に害を及ぼすものではないのです。香辛料イコール刺激物という認識は、そもそも格段に使用量の多い欧米諸国が、摂りすぎを自重して言われたことであり、それを鵜呑みにする必要はないのです。ただし、胃潰瘍とか痔の時には、唐辛子など刺激物は控えた方がよいことがあります。

香辛料は消化薬の働きがあります。……  

香辛料と腸

 香辛料は、腸の蠕動運動を活発にして、消化を促進して食欲を増進させる働きがあります。それと同時に、肉や魚をはじめとするタンパク質の腸内発酵を防ぐ重要な働きがあるのです。肉や魚を室温で放置していると当然傷んで腐ります。36度強の体内に入るとなおさら腐敗が進みます。腸内で温められタンパク毒となり、便秘、下痢、食あたりなども、この動物性タンパク質の腐敗が一因です。ここで活躍するのが辛味の食材「香辛料」です。香辛料には、防腐、防カビ、殺菌、消毒の働きがあります。腸内に吸収されたタンパク質が腐敗するのを防いで、消化を助ける働きがあるのです。

欧米とは、香辛料を使う量に格段の差がある!……  

スパイス05

 日本には、四季があり季節の味覚が楽しめる文化があります。お魚は四季を通じて品を変え豊富です。お肉も明治以後食べるようになりましたが、鶏肉、豚肉、牛肉、牛肉でしたら、松阪牛、神戸牛、岡山でしたら千屋牛なども箸で切れるぐらい柔らかくて美味しいですから、塩コショウぐらい味付けでも充分美味しく食べられます。本来タンパク質をたくさん食べる民族ではなかったのですが、現在はこのようにたくさん食べるようになりました。欧米諸国ではどうでしょうか。魚は地中海地方などごく一部でしか食べられておりません。殆どがお肉で、お肉の種類も限られます。牛、豚、羊、鳥で何種類かなどに限られますが、堅くてシワくて日本のお肉のように美味しくないお肉をいかに味を変えて、もたれないように食べるかと言うことになりますと、香辛料で味を変えて料理するようにしています。香辛料を使う量が違いすぎるのです。欧米の一般家庭で香辛料は大体30種類から60種類を持っています。日本の家庭ではどうでしょう。一味、七味、黒コショウ、白コショウ、わさび、からし、山椒、8種から10種ではないでしょうか。使うレベルが違うのです。

香辛料は、タンパク質の消化に必ず必要です!……  

スパイス04

 欧米では、スパイスで戦争を起こしたぐらいですから、香辛料は重要な食材なのです。香辛料を使いすぎると肝臓に熱を持ちやすくなります。また判りやすく言い換えますと、ビール以外のお酒は、辛い味です。辛い味のお酒ばかり飲み過ぎると肝臓を傷めることは、皆さん良く理解しています。それと同じ事で、香辛料を大量に摂ると肝臓を痛めるわけですから、あちらの医学書には、使いすぎるから、刺激物は控えましょうと言うことが書いてあります。それを鵜呑みにして、使うレベルが違うのに食事だけは飽食になり動物性のタンパク質はたくさん摂るようになった日本で、消化薬である香辛料を摂らないでいると、お腹の中はどうなるでしょう。
お腹の中でいっぱい腐るわけですね。不消化を起こして、食あたり、下痢などが増えるでしょう。又、大腸癌などが増えているのも、それらの関係するがあると言われています。
 刺身にはわさび、生姜、大根、大葉などのつま、菊の花が、添えられますが、これらは全て毒消しなのです。意味があるのです。にぎり寿司には、わさびと生姜のガリ、トンカツにはからしやレモンが添えられるのは、単なる付け合わせでもなければ、味のバランスを保つだけのものではありません。いずれも肉や魚の腐敗による食毒を防ぐために考え出された、すばらしい生活の知恵なのです。食中毒、病原性大腸菌O‐157が流行ったのも、病原菌を殺菌して、腸内環境を守る辛味が不足しているからではないのでしょうか。脂っこい胃腸に負担のかかる食べ物や、体を冷やす水気の多い食べ物にも辛味が必ず添えられます。天ぷらや脂ののったサンマやイワシには大根おろし、ウナギの蒲焼きには山椒、焼き鳥には七味唐辛子、うどんにはネギと七味唐辛子、そばにはわさびとネギ、冷や奴には生姜とネギが定番ですね。これも体を温め、消化を促進して胃腸の負担を軽くしているのです。ですからタンパク質を摂るときには、消化剤として香辛料を上手に摂るように心がけて下さい。来週も引き続き「秋の食養生について」お話しいたします。



倉敷市下山薬局

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