梅雨と夏の飲み物の飲み方
梅雨と夏の飲み物の飲み方
冷たい飲み物を飲むと・・・……
皆さん、蒸し暑くて、冷たい飲み物が美味しいとガブガブ飲みすぎていないでしょうか。本日は、梅雨と夏の飲み物の飲み方についてお話しいたします。
体温が36℃台と考えて、例えば胃の温度は、37℃台と考えます。今冷蔵庫から出したビール、ジュース、お茶を飲みます。冷たくて美味しい5℃ぐらいのビール、ジュース、お茶を飲みますと、胃の細胞は、34℃を切りますと死んでしまいますので、「こりゃいかん!死んでしまう。エネルギーを量産して、温度を上げないといけいない。」と言うことでエネルギーを量産して、温度を上げます。胃と口はつながっていますので口の中にも熱は伝わり、冷たいビール、ジュース、お茶を飲んでも、飲んでも、のどの渇きは止まらず、ガブガブと飲んでしまいます。いくらでも、冷たい飲み物が入っていってしまいます。胃と口は、常に物を受けますので、このように常に熱を持ちやすくなります。胃は湿を好み、燥を嫌うと言います。胃から先の腸は、胃と性質が反対で、燥を好み、湿を嫌います。腸は、冷たい飲み物を嫌います。腸が冷たい飲み物で水浸しになりますと、いつも言います免疫のスイッチが壊れてしまいます。この免疫のスイッチは、冷たい飲み物と、ポテトチップスやファーストフードの油に非常に弱いのです。ですから、こらえてくれ~と泣いているわけです。
温かい飲み物を飲むと・・・……
次に、温かい飲み物を考えましょう。胃の温度を36℃の後半と考えますと、温かい飲み頃のお茶を55℃ぐらいとすると、先程とは逆で、胃の細胞は、43℃を越えてしましますと、死んでしまいます。「こりゃいかん、死んでしまう。」と細胞の温度を冷やして行きます。胃と口はつながっていますので、温かい飲み物を飲みますと、ガブガブ沢山飲まなくて、のどの渇きが治まるわけです。昔の人は(おじいちゃんやおばあちゃん)暑いときほど、温かい飲み物を飲む方が、のどの渇きは止まると解っていたんです。温かい飲み物を飲んでいると、病気にならずに元気で居れると言うことを良く理解していたのです。
これから増えてくる熱中症も、予防には胃腸を元気にするためにも温かい飲み物を飲んで下さい。でも今まさに熱中症になったときには、冷たい飲み物で冷やすことも必要なときがあります。
陰陽で考えると・・・……
もう少し違った角度から、冷たい飲み物がいかに悪いか、お話しいたします。漢方の世界では、物事を陰陽に分けて考えます。陰は物質です。目に見える物です。体を栄養する血液とか肉体が陰です。陽は、機能(働き)のことです。目に言えないエネルギーです。人間は成長してゆくわけですが、これは陰陽が増えている状態です。陰陽が一番充実している年齢が26歳から30歳です。運動選手も一番ピークの頃ではないでしょうか。そこからは、陰陽が減ってゆきます。これが老化と言うことになります。成長の過程、老化の過程で陰陽に差がありすぎてバランスを崩すとそれが病気の原因になります。陽が少なければ、エネルギーが少ないわけですから、元気が無く冷え症と言うことになります。何かあったら、へこみますから、鬱になるタイプの人は皆さん陽の少ない人になります。陽が多く陰が少なければ、暑がりですし、イライラタイプの良く怒る瞬間湯沸かし器型の人になります。
『年寄りの冷や水』の意味……
しかしながら50歳を過ぎますと、陰も陽の減るのですが、陽のエネルギーが減る速度が2倍から3倍速くなります。このことから生まれたのが、「年寄りの冷や水」と言う言葉です。冷たい水を飲んでまず胃を冷やすと、胃の陽気が無くなります。陽がなければ陰が生まれません。体を栄養する血液を作ることが出来ず、体を栄養出来ないので、体調を壊しやすく、寿命が減りますよ。だから、50歳を過ぎて冷たい飲み物は控えなさいという先人の温かいお言葉なのです。人間が死んでしまいますと、肉体という物質、陰は残るけど、陽という目に見えないエネルギーが身体から抜けて死に至るわけです。陰陽共に大切だけれども、陽の方がより大事なのです。現在、この言葉は日本人全体に言えることでして、お子さんから若い人、ご老人まで現代人は、お腹を冷やして病気になっている人が非常に多いのです。漢方薬もお腹を温める漢方薬を使うことが多くなっています。このことを考えて、梅雨と夏は、冷蔵庫にお茶などは入れず、常温で、どうしても冷たい飲み物が欲しいときは、氷をひとかけら入れて、飲むとほどよい冷たさになります。冷蔵庫で冷やしているお茶に氷を入れて、「カチカチ」と言って冷たい飲み物を飲むと非常に冷えます。これは止めましょう。夏冷たい飲み物を飲む期限は、お盆までとして下さい。それを守ると秋の健康につながります。