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春の養生法 春は酸味が必要!

春の養生法 春は酸味が必要!

今週は春を乗り切る味覚、食材についてお話しいたします。その前に大切なワンポイントをお話しします。

春になると、皆さんどうしても伊達の薄着になりませんか。花冷えという季節ですが、これは秋から冬と違い、冬から春という季節の方が人間は体温調節をしにくいので、春先は、伊達の薄着と、この風邪、春一番により冬以上に冷えに気をつけないといけない季節なのです。


さて、春に一番働く臓器は、「肝」(肝臓)と言う事はお話しいたしました。人体の筋肉や腱、関節を動かす働きも「肝」が支配しています。そのため春、「肝」の働きが春の陽気と共に異常になると、けいれんや硬直などの症状が現れます。この季節こぶら返りが多いのもこのためです。

そして、これらの条件と伊達の薄着で、風邪、風が吹いて花冷えをおこしますと、どうなるでしょう。よけいに筋肉は引きつります。

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ぎっくり腰膀胱炎が一番多い季節なのです。無菌性の膀胱炎もよく起こります。ラジオをお聞きの皆さんも思い当たる方が多いと思いますが、お気をつけ下さいね。これらの予防も冷やさないのが一番大切です。おかしいと思ったら、バケツにお湯を入れて足湯をして下さい。

こたつでは駄目ですよ。芯まで温まりませんので、必ずお湯で温めて下さい。膀胱炎もぎっくり腰も症状はかなり楽になるはずです。ぎっくり腰も足を温めて、ご家族の方に足の指を良く回してもらって下さい。痛みはかなり楽になるはずです。


「肝」の働きを補うのは「酸味」?

ここからが本日の本題になりますが、春に異常亢進をしやすい「肝」(肝臓)の働きを正常に戻し、疲弊した「肝」(肝臓)の働きを補うのが「酸味」の食材です。

のぼせて出よとする気を上手に収斂して閉める作用があるのです。漢方の世界では、酸っぱい味は、「肝臓」「胆嚢」を始め、眼や筋肉や健の働きを補い、滋養する作用があります。例えば、、、
[check] 梅干し
[check] 酢
[check] かぼす
[check] レモン
[check] ライム
[check] すもも
[check] サクランボ
[check] りんご
[check] あんず
[check] ダイダイ
[check] ロイヤルゼリー

などが代表される味となります。

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「酸味」は、肝臓を助けます。しかし、胃腸の働きを抑えます。胃腸が弱い人は酢のものが嫌いな方が多いです。ですから酢に砂糖を入れて二杯酢にすることで、酢が立つのを抑えてくれます。

そして甘い味は、腎臓の働きを抑えます。甘いものが多いとオシッコが出なくなり、浮腫みます。

二杯酢に鹹味のお醤油を入れて三杯酢にするとバランスが取れた組み合わせになります。旬のわかめやアサリの三杯酢であえた酢の物は、肝臓、胃腸、腎臓を守る「春」の代表料理です。

「酒は百薬の長」。でも飲み過ぎると・・・

「酒は百薬の長」言われますが、飲み過ぎは皆さんご存じの通り、肝臓をいためます。ビール以外の酒は、「辛味」になります。辛いものは単独で摂りすぎると肝臓を傷めますのでお酒はまさにそれにあたるわけです。肝機能を高めて二日酔いを予防・解消するうえでも酸味の食材が威力を発揮します。

酒のつまみには、酢の物などの酸味が良く合いますし、梅酒、酎ハイのレモン、ジンライム、焼酎の湯割りに梅干し、カクテルもお酒を酸味のフルーツで割ったものが多いのも、酸っぱい味が肝臓を助けるという事から理にかなった飲み物にしているのです。

また酸味の食材には、食品の腐敗を防いで鮮度を保ち、脂肪を中和して味わいを淡泊にして食をすすめる作用があります。

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脂ののった青背のサバを、酢で締めた「しめさば」は、酸味の特徴を上手に生かした調理法の1つといえます。酸味は腐りやすいサバの保存を可能にし、脂っこさを消してさっぱりとした食材に変えてくれています。

私たち日本人は、味の加減や健康度を表すのに塩梅」(あんばい)と呼んで、「肝」を補う酸味を重視していました。塩と梅酢を合わせた調味料を意味していました。現在では梅酢に味醂(みりん)・酒・砂糖や香辛料を加えて調味した「加減酢(かげんず)」を「塩梅酢(あんばいず)」とも言うようになっています。


腎臓を助ける塩 、肝臓を助ける梅酢 、塩の中ににがりが入りますから苦い味が、心臓を助け 、みりんと砂糖の甘味で胃腸を助けます。 そして薬味ネギ、香辛料を入れますから、辛い味 が入ります。

加減酢でものを頂くと言うことは、酸苦甘辛鹹の漢方で言う五味がすべて入りますので、肝臓、心臓、胃腸、肺大腸、腎臓をすべて助ける味になり、健康に良いというのは明らかですね。


ところが、今現在の私たちの食生活をみると、梅干しや食酢、緑黄色野菜の摂取が激減しています。それに加えて、有機酸の補給源であった柑橘類やリンゴなどの果実も、甘味の強いものが求められるようになり、酸味の少ない、甘味優先の果実に品種改良されるようになりました。なぜ人間は自ら不健康な方に進んでいくのでしょうか。

肝炎、肝硬変、肝臓癌、眼病までが増えているのも、こうした酸味の摂取の減少により、肝臓を守ることがおろそかになっていることが一因ではないでしょうか。

食酢、梅干し、ゆず、かぼす、レモンなど、酸味の食材は決して主役にはなりませんが、だからこそ意識して、季節の酸味の食材を取り入れる必要があるのです。来週は、春もう一つ必要な味があります。それは苦味です。それについてお話しいたします。


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