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春の養生法

春の養生法

先週は、春先に、精神的に不安になり、自律神経を乱す人が多くなる原因についてお話ししました。肝は、(肝臓は、)「思考を主る」器官で、精神的な作用が強い臓器であり、物事を論理的に考え、判断し、実行することと「肝臓」は、切っても切り離せない関係があり、ストレスをコントロールして、イライラ感や不安感などの感情を抑える役割を持っています。肝臓が正常に働いていたらそれらの感情のコントロールはうまくゆきますが、肝臓の働きが悪くなるとうまくゆかなくなりますとお話しいたしました。しかし現代医学で言う肝臓が悪いと言うこととは、全く関係がないともお話ししました。これについて、多くのご質問などをいただきまして、お困りの方が多いのだなぁと改めて実感いたしました。本日はもう少し掘り下げてお話しいたします。
 肝臓に血液、グリコーゲンの貯金が少ないと、肝臓が伸びやかに働くことが出来ず、自律神経を乱すことになります。その血液の貯金を増やしてやれば自律神経が伸びやかに働きます。肝血を増やす食べ物は、医食同源から言えば、まずタンパク質です。大豆をはじめ、大豆から作った味噌、豆乳等がありますし、お魚、お肉、お肉は、豚肉、鶏肉、牛肉、羊肉など、一番身体を温めて精が着くお肉は、羊肉です。油分は控えるようにしましょう。それと、赤血球の源となる葉緑素をしっかり摂らないといけません。緑黄色野菜もしっかり摂りましょう。鉄分の多い食事としてレバーなども少しずつお摂りください。これらタンパク質を消化するのが、香辛料ですから、消化を高めるために、生姜、ワサビ、からし、コショウ、肉豆蔲、ネギ、ニラ、大根などまだまだ沢山ありますが、上手にお使い下さい。漢方薬で血を増やす代表方剤は、四物湯と言う薬になります。これは婦人科の薬の源になる薬です。この処方を基本に色々な生薬を入れてその他の処方が出来ています。
 一番大事なことになりますが、冷たい食べ物を摂らないこと、お腹を冷やさないことです。「年寄りの冷や水」と言うことを何度もお話ししていますが、現代では、年寄りも、子どもも、青少年も、大人も全員言いえることになっています。冷たいものを飲んで胃腸の陽気を傷つけますと、飲食物を消化して血液や身体を栄養する物質が作りにくくなります。ですから、お腹を冷やすことが、この血液作りに一番良くないことになります。暑い夏でも温かい飲み物が良いですし、妥協しても常温、春、秋、冬は温かい飲み物を飲む方が良いわけです。アイスクリームも昔は夏しか売ってませんでした。夏の食べ物なのです。それと痛み止めも解熱鎮痛剤ですから、身体を冷やします。むやみに服用しない方がよいのです。身体の痛みは、エネルギーが(気)通じないから起こります。漢方薬は、すべて痛みがある時は温めて、エネルギーを通じるようにして痛みを取ります。だから根本的に良くなるんです。生理痛、頭痛、腹痛、肩背痛、膝関節痛などほとんど冷えで起こっています。痛み止めはやむを得ず服用するのは仕方ないことですが、常用するものではありません。身体は冷え切ってしまいます。冷えは万病の元となるわけですから、気をつけて下さい。慢性病の原因のほとんどが、身体を冷やしていることです。身体を冷やすているから、エネルギーがないので何かあるとへこんでしまうし、鬱にもなりやすくなります。アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、蕁麻疹などの皮膚病も、今皆さんお困りの花粉症も、各種痛みもすべて冷えが原因です。私どもは薬屋ですが、痛み止めは置いてあっても少しです。観光客の方など指定された方にしか出しませんし、温めた方が良いですよとアドバイスもします。薬屋なのに痛み止めを売らない薬局です。
 病気の原因は、ほとんどが冷えと話しが広がってしまいましたが、この季節多い自律神経失調も冷えを摂る漢方薬を中心に、身体全体のエネルギーが巡るようにする漢方薬を合わせて身体を調えていきます。最初に申し上げた血を増やす漢方薬は、胃腸に力がある人は最初から使えますが、力がない人はまず温めるところからです。血を増やす薬は、どちらかというと粘度の高い薬になります。胃腸の弱い人には負担になることがあるので、先ずは温めることで胃腸を元気にする必要があるのです。漢方薬を含め生姜などで身体を温めることを心がけて下さい。
 そして、暖かくなりましたら、外に出て散歩をして、春の息吹を感じましょう。桜や草花を見てこの自然の美しさに感動して下さい。そして、今を生かされていることに感謝して下さい。気持ちを閉じこめす、解放しましょう。そうすると気持ちも自然とゆるむはずです。春ですから、エネルギーや元気が自然の中にはあふれています。皆さんも元気を取り戻して下さい。

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