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自律神経の乱れについて

自律神経の乱れについて

本日は春先には、精神的に不安になり、自律神経を乱す人が多くなるのですが、その原因についてお話しいたします。漢方の世界では、肝臓は、「思考を主る」器官で、精神的な作用が強い臓器と考えられています。物事を論理的に考え、判断し、実行することと「肝臓」は、切っても切り離せない関係があり、ストレスをコントロールして、イライラ感や不安感などの感情を抑える役割を持っています。肝臓が正常に働いていたらそれらの感情のコントロールはうまくゆきますが、肝臓の働きが悪くなるとそれらのコントロールがうまくゆかなくなります。
 これは、現代医学の肝臓が悪いとされる数値とは一致しません。現代医学で言う肝臓が悪いと言うこととは、全く関係がないお話しになります。現代医学で肝臓が悪いと言うことは、ウイルスとかアルコールによって肝臓の細胞が壊されて、肝臓の細胞にある特殊な酵素が血液中に出てきます。ある一定の数値を超えると肝臓がダメージを受けていると診断されるわけです。私が申し上げている肝臓の働きが悪いと言うことは、現代医学で言う肝臓が悪いと言うこととは違い、肝臓に血液の貯金が少ないことを言っています。漢方の世界では、肝臓は血液を蓄える臓器としています。肝臓に血液がしっかり貯金していると、肝臓は伸びやかに働いて、思考は安定して、自律神経も安定します。冬は木々が枯れて根に栄養分を戻します。春芽吹く為のエネルギーを貯めているわけです。人間も同様に、冬場に過労で体力を消耗したり、夜遅くまで起きていることが続いたり、運動しすぎて汗を沢山出したりすると、汗も血液と同様ですから、春になって肝臓の働くエネルギー供給が出来ません。肝臓に血液の貯金がないわけです。そうしますと感情のコントロールが出来なくなり自律神経が乱れます。
特に女性の方は、月に一回生理があり血液を消耗しやすくどうしても肝臓の血液の貯金が出来にくいのです。また、子供さんを一人産んだら、無条件に750mgの鉄は赤ちゃんに取られます。この750mgの鉄は、男性が一生で使う量です。お二人生めば2倍量、三人産めば3倍量取られるわけです。男性は割と単純に血液を補えますが、女性の場合は、そうはいかないのです。ですから血の道という女性特有の病状があるわけです。漢方の世界では、男性十人治すより女性ひとりを治す方が難しいとされている所以はここにあるわけです。ですから世の男性の皆さんは女性をいたわりましょうね。
 また、ストレスが過剰になると肝臓の働きが乱れて、体内のエネルギーと血液の流れが滞るようになります。そのためにイライラしたり、怒りっぽくなったり、または逆に鬱になって落ち込んだりします。この状態が長く続くと体調に変化が生じて、病院で自律神経失調症と診断される場合も多いようです。東洋医学では「病は七情から起こる」と言って、喜、思、憂、悲、驚、恐、怒の七つの感情の偏りが病気を引き起こすと考えます。漢字の病気という字は、気の病んだ状態を意味しているのです。自律神経失調症、春先に何となく憂鬱になるとか、五月病にならない為にも、漢方薬や春先の食養生で肝臓を立て直し、心を晴れやかに持ち、身体を積極的に動かすことが大切です。散歩をして桜を見て、気分を晴らすことも大切なのです。生命力が湧き出る春の木々や花が芽を出す姿を、感動して感謝して楽しんで下さい。悩んだり、イライラすると、肝の気の働きが滞るばかりではなく、消化機能にも悪影響を与えます。食欲低下などを引き起こし、消化吸収機能が衰え、ストレスが掛かると、良く下痢を起こしたり、胃痛を訴えたりするのも、肝臓の気働きが胃腸に良くない症状を引き起こす事から起こすのです。悪循環になりますので、注意して下さい。本日は肝臓と自律神経についてお話しいたしました。

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